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SAI DIARY

前回の阪大予防歯科教授 天野先生の講演内容の続きです。

 

歯周病菌はどこからやってきた?

勝手に口の中に沸いて出てきているわけではありません。

唾液を介した経口感染です。

 

親からだったり、親しいお友達だったり。

 

最新の分析では、歯周病関連細菌の種類が明らかになってきています。

その中でも、とっても凶悪なものを Red complex bacteria と名付けて注目しています。

 

p.gingivalis  ジンジバーリス

T.forsythia フォーサイシア

T.denticola デンティコーラ

 

学生の時から、どうやって読むんだよ?!って思っていましたけど、今でもやっぱり読めないし。

 

お口の中には100億個の菌がいます。

 

お尻の近くの直腸も同じくらいかな。 上からも下からも汚いですね。

 

この細菌は、小学生くらいまでは定着せず、大人になってからメンバーが決まってきます。

遅くに出会って結婚した夫婦の細菌の種類を、中年以降に調べたら、まるで他人!だそうです。

 

もし、凶悪なタイプの歯周病菌に感染してしまったら、一生、覚悟しなくてはいけません。

 

1回1~2万円くらいで細菌のDNA検査が可能です。発症診断と予後予測が可能になります。

 

自分が、もしレッドコンプレックスに属する細菌に感染していたら将来は・・・という予測歯科の世界になります。

 

歯を失いやすさを、数値化してみると

タバコは 4.75倍

65歳を過ぎると 9倍

p.ジンジバーリスⅡ型に感染していると 44倍!

p.ジンジバーリスⅣ型に感染していると 13.87倍

 

つまり、p.gingivalis Ⅱ型に感染していて、喫煙する65歳以降の人の歯を失いやすさは

44×4.75×9=1881倍  もう絶望的です。

 

歯医者になって、この世から、タバコは無くなって良いと本気で思っています。

臭いし、歯が黄色くなって汚いし、歯周病は進行して、歯はなくなるし、

肌はさびてカサカサしているし、歯茎も唇も黒いし、鼻毛は伸びるし。

 

以上、タバコを撲滅したいのに、両親の喫煙さえ、止めさせることが出来ていない歯科医師の

ボヤキでした。