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SAI DIARY
MTAセメントを使った歯科治療
2021年1月15日ずいぶん前から使っているMTAセメントですが、最近、やたら新商品を見かけるようになりました。
本当に、優秀なセメントです。保険適応外材料ですが、きちんとしたエビデンスがあり、年々、期待が高まる素材です。
主な用途としては
- 神経に近い虫歯や、事故で神経が露出している場合に、神経を保存するために使う場合(覆髄・断髄)
- 神経を抜いた歯の根管内に充填する材料として使う場合(根管充填)
- 神経が入っている歯髄腔という歯の中に穴が開いてしまったのを封鎖する場合(穿孔封鎖)
- 再生歯内療法
MTAセメントの特徴
- 水分があると固まり、最終的にリン酸カルシウムが沈殿して、ハイドロキシアパタイトの結晶ができること
- 粒子が小さいので、象牙細管の中にも入っていくこと
- 水酸化カルシウム製剤よりも、硬組織の形成が早く、創傷治癒も早いこと
- MTAで根管充填を行うと、隙間が無くなるため、歯根破折の危険性が低くなること
- アルカリ性のため殺菌効果があること
- セメント質誘導能・歯髄再生能・血管再生能を有すること
歯は、水分を含んでいる硬組織なので、接着しにくい性質があります。
虫歯で、神経まで達すると、常に出血してしまいます。このような湿潤状態で、膨張硬化する性質は、非常に優秀です。
当院では、天然鉱物を原料としていない、高純度に精製された原材料から人工的に作られた水硬性バイオセラミックペーストを使用しています。
有害な重金属を含んでいないので、細胞への毒性はありません。