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SAI DIARY

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ここ最近、矯正の設計をしていて、ふと、「同じじゃない?」と思う患者さんが続いたので、
面白くなって写真を撮ってみました。

題の通り、4人は別々の人です。なぜか全員、右上の2番目が口蓋側転位なのです。
口唇口蓋裂は左が多いそうなので、左右非対称の臓器をもつ人間の歯並びも
左右差があるのかもしれないです。

ただ、上はそっくりなんですが、下顎はみなさん違っていて、下顎と上顎は別の
進化を遂げているのかな。

上唇の裂はあるけれど、下口唇の裂は聞かないし、発生機序が違うからなのか。

成人後は、骨格が変えられないとされていますが、上顎骨は特殊な方法で拡大できるお話です。

 

術前の状況です。このままでは抜歯を2本しても並べることが厳しいです。
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口蓋に矯正用インプラント(マイクロスクリュー)を入れる

毎日、ネジを回して、正中口蓋縫合を割る。患者さん曰く「痛みは無い」そうです。

 

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ここまで、骨を拡大することが出来ました。これなら2本抜歯して並びますね。

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セットアップモデルです。このように並ぶようにハイブリッドコアとカスタムブラケットを

オーダーします。

リンガル矯正なので、舌側が混雑していると、とてもやりにくいのですが、歯は動くので

なんとか最後まで舌側だけでいけるものなのです。

 

昔と違って、最近は、歯科医院でCT撮影ができるようになりました。

3Dプリンターも普及しました。

その結果、極めて正確な位置にインプラントを埋入することが出来るようになっています。

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これは、実際の口腔内のインプラントではなく、この位置に埋入しようと、いろいろ考えたものを

画面で確認できるのです。

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こんなふうに、三次元でいろいろな角度から骨の中に安全に

埋入できているか確認できます。

 

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最終的には、下のようなサージカルテンプレートが出来上がってきます。

 

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昔なら、出来なかった症例も、比較的安全に出来るようになったのはすばらしいです。

ただ、結構、ごついので、開口量との兼ね合いもありまして、私のストレスはすごいです。

これほどに、機械化が進んでも、手術するのは、人間だし、ちいさなエラーが重なって

出来上がったステントがずれている事もあるので、コンピューターに頼りきらず、

集中して、勘ピューターを働かせていないと、いけないなと思うのです。

中間の1歯欠損であれば、通常のステントで問題ありませんが、複数本の

場合は、あると良いです。そして、結構、高額になります・・・・

 

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最近、乳歯や永久歯が先天的に欠損しているケースが非常に増えているように思います。

家族で見ていると、両親のどちらかに欠損や過剰歯があると、子供に遺伝しているケースが多く、比較的遺伝しやすいのかなと思っています。

 

乳歯の時から上顎の前歯が1本生えてこなくて、先天性の欠損と思っておられて矯正相談に来られた女児が、乳歯の埋伏と過剰歯まであった症例

のお話です。

 

初診のお写真

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永久歯が2本生えてきて、捻転しているのと、写真右の2本目が無くて、乳犬歯が前に寄っています。

最初から2本目の乳歯が無くて欠損と言われたそうです。

そこで、CTを撮影させて頂きました。

 

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欠損部周辺にたくさんの歯が写っています。

まずは、永久歯を探すと、2本目も3本目もあります。

生物学的には、乳歯から永久歯が発生すると言われているので、2番の永久歯が存在する為、乳歯の2番目Bもあるはずです。

 

欠損部に2つの歯牙らしき物が見えます。

そのうちの一つは、埋伏したB、もう一つは過剰歯と推測されます。

とても変な場所に2番があるので、外側へ誘導しなくてはいけませんが埋伏歯と過剰歯が行く手を塞いでいます。

 

口腔外科に相談して抜歯してもらいました。

しっかりしていた女の子だったので外来で抜かれたのですが、帰って泣いていたとのこと。良く頑張りました。

その後、緩く矯正して今の写真です。

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レントゲンに抵抗を感じられる保護者の方が稀におられますが、一度は撮っておいた方が良いと思います。

おかしいなと思ったら、CTがあると色々なことが分かってとても便利です。

ハンドピースの滅菌

2018年1月18日

昨今、ニュースで話題になっているタービンの滅菌についてですが、

患者さんごとに、使用後、ガス滅菌かけていますので、ご安心下さい。

 

タービンにもブランドがありまして、一番高級なメーカーのを使っています。

安いのは、ブレるような気がするので、気持ちが悪いのです。

かつ、タービンのお気に入りの色があったりして、滅菌袋から出すたび、心の中で

「当たり」「はずれ」と思っていたりします。

タービンをオートクレーブにかけると、120度以上になるので、とても痛みます。

安いタービンをたくさん購入して、オートクレーブにかけまくるという方法を

とるのが一般的な対処法かも知れません。

お気に入りの道具が傷むのは、耐えられないので、開院当初から、ガス滅菌を入れています。

過剰に良い物を買い揃えるとなると、その費用は、患者さんに上乗せされるので、自費の

費用を上げることなく、安全な治療が受けられるレベルを維持したいと思います。

出来上がりのホッカホカ感とかないですが、ガス滅菌は、全ての細菌・ウイルスが

死滅します。

他にも、プラスティック類など、審美歯科特有の熱に弱い道具なども、全部、ガス滅菌です。

 

 

 

阪大時代に矯正科の授業でお世話になっていた保田先生に、今でも技工物を出したり

設計のアドバイスを頂いています。

 

小児矯正で、上顎の口蓋縫合に力をかけて広げて、根本的な骨格矯正をする装置も

いつも保田先生の技工所にお願いしています。

子供の拡大は、簡単なのですが、大人になると普通は出来ません。

今回、29歳の男性で、抜歯は決定ですが、それでも骨量が不足しているケースを相談したところ

ドイツ製のめちゃくちゃ太いチタンのスクリュー4本打てば、口蓋縫合を引き剥がして

仮骨延長出来るとの事で、スクリュー持参で、埋入しに来てくださいました。

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私は、インプラントを先に学んだので、同じ感覚で、機械で骨に穴を開けてから、スクリューを

入れています。保田先生は、矯正の専門なので、機械で骨に穴を開けたことがないそうで、

手の力でキリキリとネジを入れておられました。

ゆっくり入れられるから、患者さんはその方が楽かもしれませんね。

しかし、びっくりするほど太くて笑ってしまいました。これ以外の使い道があるとは

思えないサイズです。

「1ヶ月したらスクリュー外してね~」って笑顔で、帰っていかれたけど、専用ドライバーなしで

プライヤーと己の手の力でとは。

 

 

7月3日月曜日は、世界インプラント矯正学会出席のため、休診致します。

 

4月より定休日が木曜日から水曜日に変更になります。
何卒よろしくお願い申し上げます。

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上が初診時、下が治療終了時です。

歯の色が非常に濃かったので、ズームホワイトスピード45分とホームホワイトニング(Zoom NiteWhite 22%)の併用をお願いしました。

ずいぶん、白くなり笑った時の印象がとても明るくなりました。

右側のかぶせ物3本だけやり直す予定でしたが、左側1本目が捻転しているため、左右のバランスが悪く、前歯4本を治すことにしました。

部分矯正も考えましたが、歯の幅が違いすぎるため、神経を残しかぶせ物にするほうが、美しいと判断しました。

もし部分矯正するのであれば、下顎前歯のほうが優先される症例です。

 

 

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当院では、医療被ばく線量を最小化した

歯科用CT撮影装置(KaVo 3D eXam+)

を導入しています。

 

以前のパノラマレントゲン撮影(2次元)よりも低い被ばく線量でCT撮影(3次元)を実施できる為、矯正歯科や小児歯科の症例においても安心して撮影を行い、より確実な治療計画の立案、より安心な診断を実施できるようになりました。

矯正歯科の診断がより正確になります

 

以前のセファロ撮影(2次元)に比べて、より正確に3次元で骨格や歯並びの情報を得ることができます。矯正前後の気道の変化も表面積マッピングで表示が可能です。

小児歯科において、お子様の歯並びや

骨格の診断がより正確に出来ます

 

永久歯に生えかわる前のお子様は、顎骨の中に永久歯の歯胚が多数、存在します。以前のパノラマ撮影では、いろいろなものが重なり永久歯の生えてくる場所が分かりにくいことがありましたが、CTにより、正確に萌出位置が分かります。

近年、過剰歯や先天性欠損のお子様が多いですが、歯並びにどのような影響を及ぼしているか、より正確に把握できます。

インプラント治療の安全性が向上します

骨の密度も予め分かるので、より最適なインプラントサイズの選択が可能です。

歯根の状態をより正確に把握できます

根管治療の治癒状態や難易度もより正確に診断できます。

親知らずの位置が正確に把握できます

抜歯の難易度がより詳しく診断することが可能です。