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SAI DIARY

小さい頃から、ずっとみてきた女児で顔が小さく、骨格が小さなケースについて。

上顎と下顎のバランスが悪く、上下拡大するか、上の歯だけ抜歯するかを小学校低学年で判断をすることになりました。

拡大しても入らなさそうだったので、上顎の4番を抜歯。

勝手に隙間が埋まり、比較的きれいに並びました。

下顎はぎりぎり、並びそうだったのですが、まさかの事件が起こります。

小学校高学年に最後に生えてくる第二大臼歯が生えてくるスペースが不足し、まるで親知らずのようなことになりました。

最初のレントゲンでは

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すでに引っかかっていますが、手前に残っている最後の乳歯が抜けたら第一大臼歯が前に倒れて生えてくるだろうと思っていました。

ところが、抜けても改善されず、生えてきません。

親知らずが邪魔なので、埋まっていますが、抜歯を依頼しました。

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親知らず抜歯後のレントゲンでは、かなり前方傾斜で生えているのがわかります。

上顎同様、4番の小臼歯を抜こうかと思いましたが、折角、前歯はきれいに並んでいるので、それは、嫌だなと考え、第二大臼歯をアップライト(起こす)ことにしました。

最初、左右6番にバンドを入れて、リンガルアーチで固定し、最後は、バネで起こします。

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ほっぺの肉にめり込むし、とても大変でした。

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ようやく、萌出スペースが確保でき、無事、生えて来ました。

大きくなってからだと、困難を極めると思うので、中学生で治せて良かったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

40代女性で、パラジウム金属アレルギーと歯周病による欠損があります。

インプラントで補綴することになりましたが、歯列不正もあり、矯正をしてからのインプラント治療になりました。

既に歯を数本失っていたので、それを利用して矯正することになりましたが、どうしても抜かなくてはいけない歯が1本あり、この抜歯で患者さんと悩むことになります。

歯を失い、インプラントするので、矯正もすることになったのに、更に便宜上1本抜歯になることを、そう簡単に納得できるものではないからです。

最初の口腔内です。少し混雑があります。

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下顎の写真の右にある部位は混雑していて、抜歯がいるのですが、反対の左は既にブリッジで大臼歯がありません。

矯正のシミュレーションでは、大臼歯のサイズほどのスペースは不要で、2mm強あれば足りる為、左側は矯正してもまたブリッジの予定でした。

そこで、右の抜歯した歯を、ブリッジの欠損部に移植してみようとなりました。

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移植は、ごくごくまれ~にしますが、わたしの成績は良くありません。いつまで持つかも分からないし、保険で出来る再植は、抜歯と再植が同時の場合のみ適応なので、結構、大変です。

今回は、受容側に穴がないので、インプラントの要領で、骨にドリリングして慎重に右から左へ植え替えました。無事に成功しまして、左側がブリッジではなく治す事ができ右側の隙間もきれいに埋めることができそうです。

滅多にないケースですが、歯を1本救ったような気持ちで、ちょっとテンション上がります。

小学校低学年の時、事故で、前歯を1本喪失しているケースです。

初診時、仮の歯を接着材で両隣の歯につけていました。出っ歯が主訴で、10歳の時に、矯正相談に来られました。

その時の口腔内写真です。正面からの写真でも前歯が出ていることが分かります。

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前歯が1本ない場合、大人であれば、左右を削ってブリッジかインプラントになりますが、あと70年ほどあるであろうこの子の寿命を考えると、できれば、天然歯で前歯部を構築したいといつも思います。

今は、矯正用のマイクロインプラントがあります。

16歳からと言いますが、実際のところ、10歳でも使えています。

治療計画は、出ているので、2本抜歯ですが、既に1本失っているので、2本目を1本目に移動させて失っていないほうは4番抜歯にしました。左右の移動は、マイクロインプラントを使いました。

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2番目を1番目の形になるように、プラスティックで形態を変えます。

3番目は2番目になるように形態修正をします。

将来的には、セラミックで治すと良いですが、今は、これで良いと思います。

1年ほどで矯正は終了しました。

当院のオフィスホワイトニングの「ズームホワイトニング」が、美STに紹介されています。

開業前の勤務先の頃から、Zoom!というホワイトニングマシンを使用してきました。

最初は、今よりも痛くて、大変だったけれど、他を試してみて、やっぱり一番白くなります。

他の国産のホワイトニングマシンは買ったものの、全然、使わず・・・。

 

その後、会社がフィリップスに買収され、今は、フィリップスズームとなりました。

元々、日本は、ホワイトニングの認可が降りにくい国なので、どうしても並行輸入に頼ることになります。

このフィリップスズームは、直接、海外から自分で取り寄せたもので、日本では、貴重です。

 

ご興味ある方は、ご相談下さい。

以前、手術ケースと他院で診断された患者さんのお話を書きましたが、その後、きれいに治ってきました。

初診時の写真

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今は、ここまで並んできました。横顔は、別人のレベルまで口元がきれいになりました。

ズームホワイトニングもしました。

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移動量が多いことと、歯周病の進行が最初から認められましたので、今後は骨レベルの維持が重要になります。

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横幅が、ずいぶん広がって、ようやくリンガルブラケットがセットできました。

最後の1本が、ワイヤーに収まると、達成感で幸せを感じます。

まぁ、あと4ヶ月くらいかかりそうですけど。

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更に、下顎がすごくて、ブラケットを舌側からセットしましたが、進行が遅いので

頬側からもアプローチになりました。

またアップします。

 

 

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ここ最近、矯正の設計をしていて、ふと、「同じじゃない?」と思う患者さんが続いたので、
面白くなって写真を撮ってみました。

題の通り、4人は別々の人です。なぜか全員、右上の2番目が口蓋側転位なのです。
口唇口蓋裂は左が多いそうなので、左右非対称の臓器をもつ人間の歯並びも
左右差があるのかもしれないです。

ただ、上はそっくりなんですが、下顎はみなさん違っていて、下顎と上顎は別の
進化を遂げているのかな。

上唇の裂はあるけれど、下口唇の裂は聞かないし、発生機序が違うからなのか。

成人後は、骨格が変えられないとされていますが、上顎骨は特殊な方法で拡大できるお話です。

 

術前の状況です。このままでは抜歯を2本しても並べることが厳しいです。
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口蓋に矯正用インプラント(マイクロスクリュー)を入れる

毎日、ネジを回して、正中口蓋縫合を割る。患者さん曰く「痛みは無い」そうです。

 

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ここまで、骨を拡大することが出来ました。これなら2本抜歯して並びますね。

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セットアップモデルです。このように並ぶようにハイブリッドコアとカスタムブラケットを

オーダーします。

リンガル矯正なので、舌側が混雑していると、とてもやりにくいのですが、歯は動くので

なんとか最後まで舌側だけでいけるものなのです。

 

MTAセメントとは

2018年7月21日

亜鉛のアレルギーから、ガッタパーチャのアレルギーにたどり着き、ご相談を頂くことがちょくちょくあります。

 

ガッタパーチャのアレルギーなんてないという意見もあるのですが、私は「あるに決まってる」と思っています。

ピーナッツや小麦やキウイなど食べられるものすら、命に関わるアレルギー体質を有している方がいるのに、酸化亜鉛が大丈夫といえる先生は、理系ではないと思っています。

 

で、その解決として、MTAセメントを以前から、代用品として使っていますが、このMTAは「神経の近くまで進行している虫歯の覆髄剤」としても有効です。

 

100%ではないのですが、私の中では、覆髄剤の中で今のところベストです。

 

保険外材料の為、費用は5000円が基本価格です。

ほとんど無理に近いんだけど、子供の外傷などで、若いからもしかして、神経が助かるかもしれないって場合はどうしても使わせて欲しいので、値下げして保護者に交渉しています(^^)

多分、定価でも良いのでしょうが、神経が死んでいても返金は出来ないので、弱気になってしまいます。

 

 

昔と違って、最近は、歯科医院でCT撮影ができるようになりました。

3Dプリンターも普及しました。

その結果、極めて正確な位置にインプラントを埋入することが出来るようになっています。

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これは、実際の口腔内のインプラントではなく、この位置に埋入しようと、いろいろ考えたものを

画面で確認できるのです。

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こんなふうに、三次元でいろいろな角度から骨の中に安全に

埋入できているか確認できます。

 

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最終的には、下のようなサージカルテンプレートが出来上がってきます。

 

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昔なら、出来なかった症例も、比較的安全に出来るようになったのはすばらしいです。

ただ、結構、ごついので、開口量との兼ね合いもありまして、私のストレスはすごいです。

これほどに、機械化が進んでも、手術するのは、人間だし、ちいさなエラーが重なって

出来上がったステントがずれている事もあるので、コンピューターに頼りきらず、

集中して、勘ピューターを働かせていないと、いけないなと思うのです。

中間の1歯欠損であれば、通常のステントで問題ありませんが、複数本の

場合は、あると良いです。そして、結構、高額になります・・・・

 

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