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SAI DIARY

前回、前々回に続き、阪大予防歯科学分野教授 天野先生の講演会のお話&私の意見など

 

タイトルの「歯周病菌は追い出せるのか?」ですが、

 

答えは、No! 歯周病菌を追い出すことはできません。

 

ちょっと、胡散臭い歯科医の先生のサイトなどで、「うがいするだけで菌を無くせる」

なんて話を読んだことが有りますが、絶対、嘘。

 

除菌、消毒、殺菌、滅菌という言葉が世の中には溢れていますが、菌を完全になくせるのは

「滅菌」のみ。この滅菌は、どこの病院にもあるであろう「オートクレーブ」か「ガス滅菌」

だけです。

 

滅菌したかったら、121度2気圧で20分の部屋か、ホルマリンガスの部屋に入るしかないので

死んでしまいます。

 

日本には「モンダミン信仰?」みたいなものがまだ、残っていて、患者さんから、マウスウォッシュ

でゆすいでいるから大丈夫ですか?という質問が有りますが、

 

あんまり、意味が無い

 

昔から、歯周病菌に良く効くといわれているCHXグルコン酸クロルヘキシジンで

5分間うがいした場合、ウロウロして浮いている菌には効きますが、歯の表面に

バイオフィルムという形で貼り付いている菌には効かないのです。

 

わかりやすくいうと、唾液中の菌は、5分間うがいし続けたら一旦、消えるけど

3時間もすれば全く元の状態です。

5分間もうがいするなら、3分間、歯磨きしたほうが楽だし、効果がありますよ。

 

ジスロマックという抗生剤を知っている人も多いと思います。

結構、強いタイプの抗生剤です。この抗生剤というのは、菌にとっては毒饅頭のような物で

食べたら死んでしまいますが、菌の中には、休眠中の菌がいるんです。

 

眠っているのですが、死んではいません。

寝てるので、お饅頭は食べないです。毒饅頭を食べて仲間がいなくなったのを感じ取ると

起きてきて、また増殖します。

 

一生、抗生剤を飲み続けることも不可能なので、結局、駆逐できないのです。

 

歯のない人は、もう菌がいないと思っていましたが、間違いでした。

 

歯がない人も、歯茎、舌、頬にいるそうです。菌すごい。。。

 

 

では、一番大切なことは?

「一番大切なのは、歯間ブラシ。歯周病は歯間から」

「マウスウォッシュはあまり意味がありません」

 

では、次は、歯茎からでる血についてのお話です。

 

前回の阪大予防歯科教授 天野先生の講演内容の続きです。

 

歯周病菌はどこからやってきた?

勝手に口の中に沸いて出てきているわけではありません。

唾液を介した経口感染です。

 

親からだったり、親しいお友達だったり。

 

最新の分析では、歯周病関連細菌の種類が明らかになってきています。

その中でも、とっても凶悪なものを Red complex bacteria と名付けて注目しています。

 

p.gingivalis  ジンジバーリス

T.forsythia フォーサイシア

T.denticola デンティコーラ

 

学生の時から、どうやって読むんだよ?!って思っていましたけど、今でもやっぱり読めないし。

 

お口の中には100億個の菌がいます。

 

お尻の近くの直腸も同じくらいかな。 上からも下からも汚いですね。

 

この細菌は、小学生くらいまでは定着せず、大人になってからメンバーが決まってきます。

遅くに出会って結婚した夫婦の細菌の種類を、中年以降に調べたら、まるで他人!だそうです。

 

もし、凶悪なタイプの歯周病菌に感染してしまったら、一生、覚悟しなくてはいけません。

 

1回1~2万円くらいで細菌のDNA検査が可能です。発症診断と予後予測が可能になります。

 

自分が、もしレッドコンプレックスに属する細菌に感染していたら将来は・・・という予測歯科の世界になります。

 

歯を失いやすさを、数値化してみると

タバコは 4.75倍

65歳を過ぎると 9倍

p.ジンジバーリスⅡ型に感染していると 44倍!

p.ジンジバーリスⅣ型に感染していると 13.87倍

 

つまり、p.gingivalis Ⅱ型に感染していて、喫煙する65歳以降の人の歯を失いやすさは

44×4.75×9=1881倍  もう絶望的です。

 

歯医者になって、この世から、タバコは無くなって良いと本気で思っています。

臭いし、歯が黄色くなって汚いし、歯周病は進行して、歯はなくなるし、

肌はさびてカサカサしているし、歯茎も唇も黒いし、鼻毛は伸びるし。

 

以上、タバコを撲滅したいのに、両親の喫煙さえ、止めさせることが出来ていない歯科医師の

ボヤキでした。

 

北区歯科医師会学術講演会に、母校でお世話になった天野敦雄教授が来て下さいました。

 

学生時代に眠くならない講義をされる先生という記憶があったので、日曜日でしたが、衛生士と共に勉強へ

行って来ました。やはり、話の進め方が相当上手なので、あっという間の3時間でした。

 

「歯周病の原因は何か?」そして「我々は歯周病を克服したか?」という大きな疑問に対し、

科学の進歩により、多くのことが明らかになっていました。

 

 

これは、21世紀のことなので、20世紀に大学を卒業している私は、この最新の話を

学生時代の講義で聞いていないということなのですね。

一生、勉強なのですねぇ。

ちなみに、歯周病は、2001年ギネスブックに載っているそうで「人類史上最大の感染症」

「地球的規模で蔓延」とのこと。確かに・・・。

 

 

日本人の80%が歯周病で、45%は治療が必要。10%が深刻な歯周病→歯を失う。

つまり、インプラント患者の半数以上がインプラント周囲炎になるのは当たり前?

 

 

もう開業して、10年超えましたけど、ちょっと自慢ですが、当院から入れ歯になった人は

たぶん一桁人です。かなり一生懸命、歯を残す努力をしています。

だから、インプラントの症例がそれほど多くあるわけではありません。

 

 

インプラントが嫌いなわけではないですが、「歯を磨く」「歯をきれいにしておく」という

習慣を維持できない人に対して、インプラントを入れたところで、結局、ダメになってしまうので

インプラントで簡単に治そうだなんて考えないで欲しいのです。

 

 

従って、時にはちょっとSっぽく、がむしゃらに、口腔清掃を強要しますので、そういうのが

嫌な患者さんは、私以外の病院へ行くのかなと思います。結果、歯のない人が私のところには

少なくなるのかも知れませんね。これからは優しく指導を心がけます。

 

 

この10年くらいで、インプラントは急速に広まりましたが、歯科先進国のスウェーデンでは

どうなっていると思いますか?

 

 

スウェーデンで、2277本のインプラントの9年後を調査する実験がありました。

まず、対象者の3/4以上がリコールから脱落。つまり、どうなっているか分らないし、

もうそのインプラントが無いかもしれないし、歯科できちんとクリーニングを受けていない人が

過半数ということです。

 

 

調査に来た患者のインプラントを調べたところ

 

インプラント周囲の検査で出血が見られ、0.5mm以上の骨の減少が見られたのが45%

2mm以上の骨の減少が見られた人は14.5%

 

 

インプラント周囲炎になっているインプラントが約半数。

来なかった人は、もっと悪くなっている可能性が高い。

 

 

自分の歯を守れない人は、インプラントも同じようにだめになるということが明らかになってきて

おり、ここ最近のトレンドとしては、どうインプラントを成功させるかばかりに歯科医は

傾いていたが、大きな間違いだったという主旨のことを、スウェーデンのインプラントの権威が

述べているそうです。歯を残す努力が大切なのです。

 

 

インプラント周囲炎は、天然歯の歯周病と同じです。

特に喫煙者の場合、歯茎はボロボロで、急速にインプラント周囲の骨を失うことになります。

 

 

安易にインプラントで治るなんて、考えてはだめですよ。

 

 

インプラントをロストするリスクを数値化すると

健康な人 1倍とすると

歯周病の人 4.08倍

1本でも歯がない人 1.64倍

インプラント本数が4本以下の人を 1倍とすると

4本以上の人は 15倍

インプラントの専門医が手術した場合を 1倍とすると

普通の歯科医がインプラントの手術をすると4倍

 

 

ということは、歯周炎で4本以上のインプラントを普通の歯医者が手術した場合の失敗の確率は

282.89倍ということで、ハイリスク過ぎる事が、分ります。

 

次は、歯周病の原因菌がDNA検査で明らかになったので、そのお話です。

 

「歯を抜かないで、矯正できますか?」

という問いかけに対し、多くの矯正医は、症例によりけりと答えます。

 

歯を抜かなくて良い矯正もあれば、歯を抜いたほうが良い矯正もあります。

 

 

以前、矯正専門の他院から、転院されてきた患者さんが、非抜歯ゆえに、悲惨なことになっていました。

その患者さんは、弁護士を介して、前の先生と調停にまでなっていたので、矯正のやり直しを引き受けた私としては、診断と再治療の方法にとても悩みました。今更、抜歯を提案したところで、患者さんはOKされないだろうなと思いました。

 

「どうしても抜歯をしたくない」と言われても、抜いたほうが良い場合があります。

 

身長がある年齢に達したら、変化しないように、顎の骨にもそれぞれサイズというものが有ります。歯の大きさも、昔々から、先祖代々、受け継いだDNAでお腹の中にいるときから、大きさが決まっています。

 

サイズがある程度決まっている顎骨という器に、24個の歯という物体をどう入れるかというふうに考えた時、どうしても、あふれ出てしまうこともあるのですね。

 

最初に、抜かずにやりましょう!と医者が言い切ってしまって、途中で抜かないと入らないなんて言い出せなくて、はみ出しながらも並べられてしまった患者さんに、まれに遭遇します。

 

患者さんは、もうすぐ終わると思って、なかなか終わらなくて、セカンドオピニオン相談に来られて、拝見して、私は、「あ・・・」と心の中で思います。

 

なぜ、非抜歯でやろうとしたんだろって。

 

そういう患者さんは、たいてい、まじめで、一生懸命通っておられます。

 

最初の先生は、言い出せなかったのかもしれません。

 

 

昔より、抜かなくて良い矯正の方法が増えたけれど、やっぱり、抜いたほうが、安全な場合が結構あります。

非抜歯にこだわりすぎて引き起こされる悲劇があるっていうお話でした。

 

オフィスホワイトニングの使用ライトが新しくなり、以前のズームホワイトニングAPから

最新型のフィリップス ズーム ホワイトスピードになりました。

 

45分38500円です。

たった一日で、本当に白くなります。1400万人以上の人が体験し、96%の人が満足しているズームホワイトニングの最新機器を是非、ご体験下さい。

 

いろいろな機種を試しましたが、検討の結果、私はズームホワイトニングを推奨しています。

開院当初から、ズームホワイトニングシステムを採用してきましたが、Zoom!に新しいランプが登場しました。

以前、Discus Dental ディスカスデンタルという会社から販売されていて、日本にも代理店があったのですが、数年前に、フィリップスが買収し、それに伴って、一旦、日本から撤退してしまいました。

元々、日本は、薬剤関係の認可がなかなか下りないお国柄なので、例えば、アメリカのスーパーで買える様な、ホワイトニング剤入りのハミガキ粉などは、到底、市販されていません。

歯科医師免許を提示して、歯科医師が責任持ちますってことで、ホワイトニングの薬剤などを手に入れることが一般的です。

フィリップスから、ズームライトの後継機種が出ているのは、以前から知っていたので、欲しいなと思っていたのですが、ようやく、到着しました。

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作っているところは同じだろうから、見た目にはマイナーチェンジです。

水色からグレーに変わってます。構造は、あまり変わらず。光の強さが、以前は1種類でしたが、フィリップスズームホワイトスピードは3段階の調節機能が付いていました。

早速、衛生士が、自分で自分に施術?して、体験していました。手伝おうか?と聞いたけれど、たぶん、大丈夫と言って、自分で保護して、薬剤塗ってスタンバイしてました。

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なんか、医療関係者って結局、自分で自分を治療するようなことになるんだなぁと改めて感じた次第です。

IMG_4120

15分だけ照射していましたが、真っ白になっていました。

一番強いライトで当てると、45分だと痛みが出るかなって感じです。

日本人だと、ミディアムぐらいが良さそうです。

円安なのと、薬剤の入手が不安定なので、ちょっと値上げするかもしれませんが、

とりあえず、価格は据え置きで45分 34000円です。

やっぱり、一番、白くなるのはズームホワイトニングとブライトスマイルだと思います!

 

小児歯科には、もちろんお母さんも付いてこられるので、そのお母さん達のフォローで阪大の小児歯科にマタニティー外来が併設されているそうです。

 

妊娠中は歯肉炎にかかりやすく、それはホルモンの働きなので、誰もがなりやすくなります。歯肉炎は、可逆性で、治りますが、歯周炎は不可逆です。

歯周病を放置したまま、妊娠継続していると、低体重児・早産になりやすいというエビデンスがあります。

つまり、妊娠したら、歯医者さんで歯のクリーニングをしてもらいましょう。

5から7(3から8)ヶ月は安定期なので、治療は出来ます。

ツワリや間食で、虫歯になりやすく、もし虫歯になってしまうと、痛くなり、レントゲンと麻酔で大変ですから、是非、予防歯科で、早めに対処しましょう。

そして、お母さんの口の中の状態が、生まれてくるお子さんにシフトしていくので、お母さんが予防歯科を取り入れることで、お子さんの歯もきれいで丈夫になります。

 

子供の外傷について

子供は良く、こけますよね。手をついてくれ~!って思いますけど、結構、前歯からこけます。

もし、お子さんが歯をぶつけた場合

・乳歯の場合は、中にめり込んでしまい(陥入)、大人の歯の歯胚を傷つけている場合は、即抜歯。大人の歯に当たってなさそうであれば、抗生剤投与して、1週間経過観察。

発赤腫張があれば、抜歯。1週間して、元の位置に戻ることがあるので、戻れば置いておく。変色してきたら、神経が死んでしまっているので、根っこの治療。

 

・永久歯の場合は、めり込んだ場合、自然に出てこないので、元の場所に戻す!!!

・永久歯が、脱落した場合、冷たい牛乳にいれて、20分以内に歯科医院で元に戻せたら、予後は良さそう。2時間までに戻せたら、神経は死んでしまうけど、抜歯は免れるかも。2時間超えたら、抜歯かな。

ちなみに、阪大歯学部は、結構、辺鄙な場所にあるので、到着まで2時間かかっちゃうから、なるべく、近所の歯科医院でベストな対応をしてもらえるといいですね、

もちろん、当院でも、ベストを尽くします。

近所の男の子が、爆弾ごっこして、きっと笑いながら走っていたんだろうけど、こけて、生えたばかりの永久歯を折って来院したことがありました。

「本当に爆弾」って笑い話になっていますが、その時は、残せるか分らない状態でした。

一番予後の悪い折れ方で、中で、ひびが入り、歯頚部付近でも折れていました。

麻酔して、元の位置に戻し、破折片を接着し、神経を取り、止血し、歯根が安定してから、矯正して、歯頚部付近の破折部位を骨の中から出るところまで、引っ張り、なんとか保存できています。

将来、インプラントになったとしても、背が伸びている今は、骨の保存のためにも、審美的にも、全力で、残したほうがいいと思います。

他院からきた男の子で、背が止まる前に、前歯にインプラントを入れられている患者さんがいて、背筋が凍りついたことがあります。骨の成長とともに、インプラントがめり込んでいて、残されたわずかな金属部分に歯をつなぎ、なんとか見た目に支障が無いように治療しましたが。

矯正もインプラントも、成長を見極めないと大変なことになりますね。

普段から、信用できるかかりつけを見つけておくことが大切です。

次のブログは、妊娠中の治療についてです。

 

小児の虫歯についてですが、最初に見つかるのが、1歳半検診です。

母乳を与えていると、上顎前歯に母乳が付着しやすく、寝かしつけの時に飲ませながらといった習慣が続くと、虫歯になります。哺乳瓶で、スポーツ飲料やヤクルトなどを飲ませて寝かすのも同様に危険です。

母乳はとっても良いのですが、虫歯の点から言うと、歯が生えると卒乳を考えていかなければいけません。もちろん、授乳後、歯を磨けば、何の問題も有りませんが、現実問題として清掃困難です。

1歳半頃に、虫歯になって困るのはまず、赤ちゃん。歯が痛いですが、伝えられません。

保護者の方も、忙しいのに、子供の虫歯治療に歯医者に連れて行かなくてはいけないし、1歳半ではきちんとした治療なんてできません。

この母乳ウ蝕(母乳での虫歯)は、ミュータンス菌による発生とは異なる機序なので、1歳半検診で、指摘されたら、(指摘されなくても)そろそろ卒乳が望ましいです。

上の前歯の裏側が薄くなってきて、ピンク色やクリーム色っぽく見えてきます。エナメル質が溶けてなくなるからですね。

次は、指しゃぶり(吸指癖)について

統計的に、3.8歳頃になると自然と止めることが多いそうです。

4歳になったら止めること!と考えておかれると良いでしょう。

やめないと、どうなるかと言うと

・開咬(上下の前歯が閉じない)

・上顎歯列狭窄(歯医者にとっては、とても嫌な状態、骨が狭くなるので、歯が並びません。気道も狭くなり、元気な大人になりません)

アプローチは、4歳までは自然に止めるまで待つ。鏡を見せて、自分の状況を把握させる。指にバンソウコウ。不愉快な味のするマニキュアもあるそうです。

5歳以降は、タンクリブという大げさな装置を矯正的に入れて、止めさせます。

口の中に入ってるフォークみたいな装置なので、できれば、自分で止めさせたいですね。

4歳までにに止めれば、生えかわる時には、きれいに治っていますから大丈夫です。

 

小児の歯周病ですが、基礎疾患がなければ、ほとんどが不潔性歯肉炎です。

磨けば治ります。

非常にレアな疾患として、骨形成不全症・低フォスフォターゼ症、X連鎖性低リン血症性くる病があります。

早期に乳歯脱落が見られます。10万人に数人とかのレベルなので、ほとんどの人には関係ありませんが、もし、4歳までに外傷以外で乳歯が抜けてしまったら、すぐに相談が必要です。

あと、癌治療が進歩して、一昔なら、亡くなっていた病気でも、抗がん剤の効果でサバイバーになるケースが増えてきました。

子供の抗がん剤治療の場合、その時に成長するはずの歯がダメになるようです。骨の疾患だとなおさらです。

私の患者さんにも、抗がん剤治療を受けた、受けている子供さんがいますが、やはり、歯が弱いと感じます。

命が助かっているので、歯のことで、悩ませたくないですが、本人の努力で解決できないレベルで、歯の脱灰が進んでいるときは、とても心が痛みます。

なるべく、病気のせいと感じさせないよう、金属が見えるところに増えないよう、早期治療を心がけています。

次のブログは、小児の外傷について書きますね。

1月24日に、阪大歯学部主催の卒後研修を受講してきました。

標題は、「小児の歯科治療 基本から最新トピックまで」

小児歯科関連の書籍は少なく、卒後、勉強する機会も少ないので、とても為になる談話会でした。

講師の仲野教授は、学生の時、小児歯科でお世話になった先生で、ずいぶん若くして教授になられたなという印象しかなかったのですが、受講して、改めてすごい先生だなと尊敬しました。

まず、何気ないデータをとても丁寧に扱われていて、思い込みで処理していないです。

全国的にみて、国立の附属病院の小児歯科ほど、多くの子供を診ている小児歯科は存在しないでしょうから、その膨大なデータを分析することは、とても大きな意義があります。

実際、どうなのか?を教えてくれるすばらしい授業でした。

覚書の形でざっと記しておきます。

まず、乳歯の生える時期は、昔6ヶ月でしたが、最近は7から9ヶ月。

10人に1人くらいの頻度で、先天性欠損(これは、すごく感じてます)

「乳歯は生えかわるから」という発想からの脱却。

小児歯科と矯正を組み合わせ、経過観察・咬合誘導・開窓・抜歯・矯正治療とカスタムメードな一貫治療体系を目指す。将来を見据えた介入をしていく。

3歳未満の治療は不可能。3歳半過ぎるまで、なんとか治療をひっぱり、進行抑制をメインに対応する。褒められて嫌な子供はいないので、大げさなくらい褒める(吉本新喜劇なみに(笑))

3歳からは、保護者は待合室でお待ちいただき、1対1で勝負。

たくさん虫歯がある子供には、まず母親教室。きちんと撮れなくてもレントゲン撮影はすること。画像からのデータは必ず役に立つ。

嘘に、子供は敏感なので、「何もしない」といって騙して連れてくるのではなく、ごまかして、なんとか連れてきてもらうこと。予定通りいかなくても何か一つして、終了時にほめて帰す。

小児の接し方に関しては、以上の内容でした。

う~ん、吉本新喜劇のように褒めたおさないといけないのね。

保護者の方もよろしくお願いいたします。

 

次のブログは、虫歯と歯周病について書きます